• 2026年3月25日

心臓から脳梗塞を防ぐ ー 卵円孔開存(PFO)の最新治療を学んできました

こんにちは。岡山市中区の「まつもと内科・循環器内科」院長の松本健佑です。

昨日、2026年3月24日に開催された「第303回岡山市医師会循環器疾患研究会」に参加してきました。今回は、その内容を皆様にも分かりやすくお伝えできればと思います。


1. 恩師や仲間との再会

今回の研究会は、私にとって少し特別な場でもありました。

座長を務められた新あしもりクリニックの吉田英紀先生は、私がかつて4年間お世話になり、地域医療の在り方を一から教えていただいた恩師です。そして演者の心臓病センター榊原病院の森川喬生先生は、私が約10年間ともに急性期医療に取り組んできた、いわば「古巣」の仲間です。

縁のある先生方から最新の医学を学べる機会は、開業後の今も大きな刺激になります。

2. 「心臓の小さな穴」が脳梗塞の原因になる?

今回の講演テーマは、卵円孔開存(PFO)と脳梗塞の関係についてでした。

「脳梗塞」というと、血管が動脈硬化で詰まるイメージや、高血圧との関係を思い浮かべる方が多いかもしれません。ところが、原因が特定できない脳梗塞の中に、心臓にある小さな穴が関係しているケースがあります。

卵円孔開存(PFO)とは、赤ちゃんの頃に誰もが持っている、右心房と左心房の間の「穴」のことです。通常は成長とともに自然に閉じますが、成人の約4人に1人はこの穴が残ったままと言われています。

そして、足の静脈などにできた血栓(血の塊)が、この穴を通って心臓の右側から左側へ入り込み、そのまま脳の血管へ流れ着いて発症する脳梗塞ーこれを「奇異性脳塞栓症」と呼びます。

3. 体への負担が少ない「カテーテルによる卵円孔閉鎖術」

以前はこの穴を閉じるために外科的な手術が必要でしたが、現在はカテーテルを使って閉じる方法が広く行われています。足の付け根の血管から細い管を通し、小さなデバイスで穴を塞ぐもので、数日間の入院で済むことが多く、体への負担もかなり抑えられます。一度脳梗塞を起こした方の再発予防として、有効な選択肢のひとつです。

私が榊原病院に在籍していた頃にはまだ一般的でなかった治療ですが、現在は同病院でも積極的に行われていると聞き、医学の進歩を改めて実感しました。

4. 循環器専門医として、学び続けること

医学は常に進歩しています。不整脈や心不全の診療ガイドラインも数年ごとに刷新され、かつての「標準」が塗り替えられることも珍しくありません。

私がクリニックを開いた今も研究会や学会に足を運び続けるのは、患者様に常に「最善の選択肢」をご提示したいと考えているからです。当院が大切にしている「予防」の分野でも、例えば血圧の管理基準が更新されるなど、日々のアップデートは欠かせません。

「原因不明の脳梗塞と言われた」「心臓のことが少し気になっている」……そんな不安をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。古巣である榊原病院をはじめとした高度専門病院との連携を強みに、地域の身近なパートナーとして、皆様と一緒に最善の道を考えてまいります。

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